「ソロ活」「おひとり様」なんて言葉が世間に浸透して久しい。
ひと昔前であればひとりで行動することをぼっちなんて揶揄されたものだが、時代は令和。多様な生き方が認められるこの日本において、ひとりで気ままに過ごすことが許容されているように感じる。
・・・・・・え?令和のぼっちはギター弾ける美少女じゃないといけないんですか!?
話が脱線した。
「ひとりカラオケ」や「ひとりラーメン」といった、「ひとり○○」の中にもヒエラルキーは存在する。飲食の中では、「ひとり焼き肉」なんて難易度が高いほうに分類されるのではないだろうか。
焼き肉って確かにみんなでワイワイしながら焼くイメージあるからなぁ。でも、最近じゃひとり焼き肉専門店も出て来てるみたいだし・・・・・・
あれ!?しゃぶしゃぶも割と複数人で行きがちだよな!?実はひとりしゃぶしゃぶって難易度高いんじゃないか!?
と急に思い立って行ってきました。なんでだ。
行ってきたのはしゃぶしゃぶ温野菜。文字通り色んな野菜をしゃぶしゃぶできる。我ながら説明雑だなぁ。
予約をしてから行ったのでスムーズに入店。もちろんネット予約。電話かけるときって必ず「あっ、予約をお願いしたいんですけど」って感じで「あっ」が入っちゃうんだよなぁ。直したいクセである。
どう見ても2人掛け用の席に通される。Lの縦棒の方に座ろうか横棒の方に座ろうか、悩んでしまうな。どっちでもいい。
「食べきりセット」なんておひとり様用のメニューもあるみたいだが、ぼくを見くびってもらっちゃ困る。ちゃんと食べ放題メニューを注文。さぁて、いっぱい肉を食
べない!
ぼくはひとり暮らし独身アラサー男性!ふだんの生活で生野菜など出てくるはずがないだろ!こういうとこでしか食べないんだから!いい加減にしろ!
ベジファーストも済んだことだし、いよいよメインの肉にい
かない!
ぼくは今日ここで1か月分の野菜を摂取しようと考えてるんだから!家に帰ったら袋ラーメンとパスタしか食べないんだから!ひとり暮らしアラサー男性の不摂生をナメるんじゃない!
誰だこのメニューに「甘辛キムチ」なんて名前つけたやつ!甘みを感じる間もなく辛みが口内を駆け巡るんだけど!今すぐ「辛辛キムチ」に改名しろ!
この流れを見て察しのいい方なら気づいたかも知れないが、ぼくはまだまだ肉なんて注文しない。
ひたすらに前菜類を食べるので、ダイジェスト形式でお届けすることにしよう。気分はマリオの相棒、ヨッシーである。ィヨッシ-⤴︎!
ここまで17皿の前菜を食べ尽くした。これでぼくがパイデカ太ももごん太美少女だったらゲムぼく。さんの性癖にブチ刺さってただろうな。パイデカ太ももごん太美少女ってなんだよ?
野菜メインといえど、これだけの量を食べればさすがにお腹も膨らんでくる。そろそろ「しゃぶしゃぶ温」の部分にも触れてやるか。
ぼくはしゃぶしゃぶ温野菜において、この「チーズしゃぶしゃぶ」が一番美味しいと思っている。サッと出汁にくぐらせることで、チーズが溶け出しもちもちトロトロの食感を味わうことができるのだ。
特に溶け出しの瞬間が見目麗しい。その様子をぼくが持てる語彙をフル活用して紹介しよう。
あー!チーズちゃん!とろとろだね!とろけてるね!なんでそんなにとろけちゃうの!?お出汁の中に消えちゃう前に食べちゃうからね!ちゅっちゅ!!!
無理でした。
はじめてのひとりしゃぶしゃぶだったが案外悪くない。自分のペースでしゃぶしゃぶできるし、集中して食べられる。誰かのお肉に気を遣うこともない。
あと、ぼっちに優しいのが各テーブルに用意された暖簾。
最初は「なんでこんな中途半端なの?」と思ったが、店員さんが配膳に来てくれた時に真価を発揮する。というのも、ちょうど店員さんの顔が見えないのだ。
お互い目を合わせることもないので、変な気遣いをする必要もないし、しかも短いおかげで暖簾をめくらずに配膳できる。しゃぶしゃぶ温野菜には優秀なブレーンがいるようだ。乾貞治と柳蓮二雇ってる?
暖簾の長さにまで配慮の行き届いたしゃぶしゃぶ温野菜。ひとりにも優しいお店なので、ひとりしゃぶしゃぶしたい時にはぜひオススメである。
ただ、甘辛キムチ。オメーはダメだ。